Natus Vincere、Virtus.proの2つのCISの大手eスポーツ組織のCEOがコロナウイルスによるeスポーツ組織への影響についてChampionatのインタビューで答えています。

インタビューでは、Natus VincereのCEO Evgeny Zolotarev、Virtus.proのCEO Sergey Glamazdaがコロナウイルスによる大会賞金の減額、オンラインによる試合への影響、eスポーツ業界の人気向上、給与削減などについて答えています。以下、インタビューより一部抜粋したコメントを引用します。


コロナウイルスにより大会賞金の減額について


Virtus.pro : 私たちの組織は賞金の一部が組織全体の収入になるため、オフライン大会の減少は組織にとってマイナスになります。

Natus Vincere : 私たちのビジネスモデルは賞金による組織への影響はごく僅かです。私たちは大会賞金のほとんどがプレイヤーに支払われます。したがって、賞金プールの削減は組織自体には影響は与えません。



オンライン大会でのpingによる不公平な試合について


Virtus.pro : コロナウイルスの影響を受け異なる大陸のチームは試合をすることができません。しかし、少なくともCIS地域はヨーロッパのチームとは対戦出来ます。そのため、私たちはモスクワ、サンクトペテルブルク、キエフにアパートを借りています。アメリカの強力なチームは僅かなので私たちには特に影響は与えません。

Natus Vincere : ヨーロッパのチームと常にトレーニングできることは望ましいことです。ヨーロッパのチームは全体的にレベルが高く、より多くのチームが存在します。アメリカのチームでさえ、ヨーロッパに拠点を置くチームも存在します。



コロナウイルスの影響によるeスポーツ業界の人気向上について


Virtus.pro : 主催者側ではなくチーム側のマーケティングの見方が変わっています。コロナウイルスの影響により、プレイヤーをスタジオに連れていくことはできず、大会用の動画などを製作することはできません。

Natus Vincere : 現在、eスポーツはあらゆる記録を塗り替えています。BLAST、ESLよりも視聴者数が向上したという報告がありました。私が聞いた一部の情報によると私たちが参加している全ての大会はKPI*を満たしていると聞いています。

*Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標の意。目標達成までのプロセスが適切に行われているかを示す指標。



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プレイヤー、スタッフへの給与削減について


Virtus.pro : プレイヤー、スタッフへの給与削減は行っていません。給与削減は意味は無いと思います。プレイヤーは試合で結果を出しているため、給与削減は非倫理的です。注意点は1つだけあり、為替レートを固定しています。これはプレイヤーの給与削減よりも組織に対して予防策だと思います。

Natus Vincere : 給与削減については常に心に留めています。恐らくプレイヤー、スタッフも同じことを考えていて、必要に応じて変更していく予定です。しかし、私たちは現時点では給与削減は行っておらず、プレイヤーとスタッフの給与を削減する必要はないと考えています。

詳しくは言えませんが、中国市場のメディアと交渉を行っており、全てが上手くいけば、プレイヤー、スタッフの賃金は向上すると思います。私たちの現在の目標は現在のコロナ禍の中、損失を出さずに乗り切ることです。



スポンサーについて


Virtus.pro : 現在、古典的なスポーツ(サッカー、野球など)がeスポーツ業界に目を向け始めているため、eスポーツ業界にとってはちょっとしたプラスと考えています。

Natus Vincere : オフライン大会が今後いつ開催されるか見当がつかないため、スポンサー契約の延長が複雑になることが予測されます。一般的にはコロナ禍はeスポーツの広告業界にプラスの影響を与えると思い、悪化することは無いと考えられます。

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